無線LAN環境を更新した
無線遅い問題
無線 LAN のスループットが安定せず、動画など巨大なデータのダウンロードでも定期的に引っかかりが起こることに気づいた。チェックツールで確認すると周囲には無線 LAN の電波が無秩序に飛び交っていた。自宅は都心に極めて近い住宅密集地。周囲の家からあまりよく設定されていないアクセスポイントの電波が睨み合うように電波のチャンネルを切り替え合い、その度に無線電波の干渉具合が変わり、パケットロス、ひいては TCP のウインドウサイズのリセットなどが起こったのだろう。
現状
これが現状のネットワーク構成である。
2010年に BUFFALO Air Station WHR-G301N を購入し長らく使ってきたが、ギガビット非対応でただでさえ自宅内のボトルネックになっていた上に、複数端末接続時のスイッチングコスト(遅い端末が繋がると全部遅くなる)やアクセスポイント自体の負荷が無視できないという状況だった。
設備買い替え
そこで、次のような効果を狙って無線 LAN アクセスポイントの買い替えを行った。
- 無線のギガビット化。801.11ac を使えるようにしてボトルネックにならないようにする
- アンテナの強化により、周囲の無線電波に負けないような電波強度を得る
購入したのは以下の無線 LAN ルーターである。 ルーターではあるものの、アクセスポイント(無線ハブ)として使うのが目的だ。
更新後の構成である。
当然アクセスポイント自体への接続も GbE となる。 図の赤い部分が主に変更される部分だが、電波環境の改善により他の無線端末にも恩恵はあるだろう。
結果
電波強度は非常に高い。法律の範囲内ではあるものの過剰なレベルなので、多少は出力を抑えても良いかもしれない。
端末 | G301N | Archer C7 |
---|---|---|
Androidスマホ(11n) | 40-50Mbps | 100-130Mbps |
Kindle(11n) | 40-50Mbps | 100-120Mbps |
ThinkPad(11n->11ac) | 50Mbps | 240-300Mbps |
ざっくり計測でこんな感じになった。 11n / 11ac ともに理論値の3割程度出ているので、実効速度としては申し分ない。
ハマりポイントとこれからの課題
WAN側ポートが使えない問題
Archer C7 を無線 LAN ルーターとして使う分には、WAN 側を上位ネットワークに接続し、LAN 側のポートと無線を下位のネットワークとして分離するのが常識的な構成のため、普通に設定可能だ。しかし、アクセスポイント(ハブ)として使おうとしたときに、設定画面からでは WAN 側 と LAN 側のそれぞれのポートを、同じネットワークセグメントにあるものとして扱うことができない(エラーとなる) そこで、LAN 側を既存のネットワークに繋ぎ、WAN 側が存在しない状態で、既存のネットワークを無線へと拡張する必要がある。そしてその方法は添付の書類や公式サイトには全く書かれていない。方法について、以下のエントリが大変参考になった。
開幕「添付書類を完全無視しろ」と書いてあって大変味わい深い。
電波どうするか問題
Archer C7 は 3x3 MIMO 対応なので、例えばチャンネルを固定してバンド幅増やしてみたいなことをするともうちょっと改善できる(今は自動設定)と思うが、まだその部分を煮詰められていない。
ファームウェアどうするか問題
openwrt / dd-wrt の両方存在する。
https://wiki.openwrt.org/toh/tp-link/tl-wdr7500
TP Link Archer C7 - DD-WRT Wiki
さすがに買った直後に博打するのはどうかと思うので、しばらく使って満足したらここら辺に挑戦してみたい。