イカとインターネット

これは何

イカをきっかけにかなり回線周辺を強化したので、それらについてちゃんとまとめます。

家の外のネットワーク

図1:概略図 f:id:Dolpen:20160229172646p:plain

どんなISPを選んでも大体こんな感じです。上から順に話をします。

まずIXって何よ

ISP が加入する上位の ISP みたいなものです。この IX も国内外にたくさんあり、それらが相互に接続してインターネットはできています。ISP ごとに契約も違って、IX と ISP を繋ぐ回線帯域も異なっています。ほとんどの場合、インターネットへのアクセスは IX を通して行われるので、この IX と ISP を繋ぐ回線帯域が細いと、 ISP の利用者が多い場合混雑しやすい、というのはなんとなくわかると思います。そういう ISP をクソとかしょぼいとか言うわけです。

日本だと JPIX とかがメジャーです

JPIX:ホーム

上記 JPIX への加入業者一覧を見ても分かるように、Google とかの巨大インターネットメガコーポは、自社データセンターなどのインフラを ISP を通すことなく、この IX と直接契約してインターネットにサーバーを接続しています。

回線業者の選定

というわけで、我々はしょぼくない ISP を選ぶ必要があります。改めて整理するとこんな感じです。

  • ISP 同士を繋ぐバックボーン(図1-1)が太いか(別 ISP のクライアントや国外との通信に影響、ISP によって契約帯域が違う)
  • ISP 自体の基幹ネットワーク(図1-2)が太いか(同 ISP 内のクライアント間の通信に影響)

とは言っても、回線をとっかえひっかえして個別に試すことは出来ないので
BNR統計情報 2017/10/01 - 2018/03/01
などの統計情報から当たりを付けておきましょう。

他にも、

  • 昼間は良いけど休日や夜間は遅くなる(家庭用のユーザーが多く、帰宅時間帯になると基幹ネットワークがパンクしやすい)
  • 回線障害が多かったり、サポートが雑

などのサービス品質に関する評判も調べておいた方が良いです。

良い場所に住む

現代科学ではどんな回線でも光の速さを越えることはできないので、そもそも情報を移動させる距離(図1-1〜3)を短くする、というアプローチは有効です。
ISP が決まったら、その ISP が接続している IX の拠点を調べておきましょう。東京都内であれば大手町や日本橋周辺、および品川などが多いと思います。
特定のホストに ping や traceroute などの問い合わせを送信し、その結果が帰ってくるまでの時間を RTT (ラウンドトリップタイム) と呼びますが、23区内など、なるべく IX に近い回線収容拠点に接続出来る場所に住むことで、 RTT が 5ms を切って 3〜4ms まで改善することが期待できます。多分ここら辺が物理限界です。

家の中のネットワーク

図1-4 以降の話です。

ブロードバンドルーターの選定

回線契約時によく送りつけられるブロードバンドルーターは結構な割合でゴミがあって、回線自体は 500Mbps くらい出るのに機器が 100MbE までしか対応してなくて遅い、みたいなことがあるので、ちゃんとしたのを買いましょう。
適切な GbE 対応のルーターを買って、回線契約時の書類に書かれた PPPoE の設定をしてしまえばよいです。ヤマハでもシスコでもバッファローでもかまわないです。

端末接続

次に端末接続ですが、無線はあまり考えないで、1000BASE-T 対応の物( NIC とか アダプタ とか ケーブル)をなるべく用意してください。なるべくとは言っても、WiiUの有線アダプタなどは 100Mbps が限界なので買いようが無いです。。。
そこそこちゃんとしているルーターであれば、どの規格でルーターと端末が接続しているかを見てくれるものもありますが、各機器はそこまで高くないはずなので、分からなければ買っちゃうのも手です。
ケーブルであれば cat5e 以上であれば GbE にも対応するので問題ないです。

ネットワーク設定

少なくとも有線機器は固定IPにしましょう。DHCP で IP アドレスを振られるがままにしてしまうと、

  • なにか障害があったときに調べづらい
  • DHCP には IP アドレスのリース(割り当て)期間があり、期間を過ぎると再割り当ての間ネットワークが瞬断する

など問題が起こります。

あと大事なのが MTU の設定です。 MTU というのは、パケットを送受信するバイト数の単位で、これをネットワークに接続する全機器で同じにしておくのは、パフォーマンスの改善に繋がります。WiiU は 1500 バイトずつパケットを送受信して、一方でルーターの送受信単位が 1400 バイトであるような不一致があると、ルーター側でパケットの分割展開、再分割などの無駄な作業が発生し、ネットワークのスループットが遅くなることがあります。

まとめと付録

通信系路上の一番性能の低いものに合わせて全体の性能が決まってしまうので、見直すポイントも多く、ネットワークが安定して繋がるのってかなりシビアで難しい物なんだなぁと痛感しました。ただ、ピュアオーディオみたいな質の幻想でなくて、光の速さという物理限界がある分幾分マシかなぁ。

最後に、家の中のネットワーク図です

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青は光回線、緑は 1Gbps でリンク、オレンジは 100Mbps でリンクしています。回線業者はソフトバンクBBで、フレッツ網使ってるので先述の説明と構造が若干違うのですが、それでも IX まで ping が 4ms くらいです。
無線の親機はハブとして動かしていて、無線向けの DHCP や経路制御は RTX1200 側に一任することで、ダブルルータを回避しています。無線親機が GbE 非対応で 11ac もない古いものなので、近いうちにリプレースする気がします。