「ANUBIS Z.O.E M∀RS」所感

 VR機器やらPCでかなり投資したのでなるべく稼働させなきゃ損だなぁと思っていたところでリリースされ、まさに渡りに船のような作品だったので、Steam版を即買い。筆者の技量を前提として示しておくと、Z.O.EシリーズはPS2の2タイトルは既プレイ、かつオリジナルのANUBISではHARDで総評価SSを達成する程度の天才ランナーであった。HD版はやってないのでExtremeでどれくらい戦える技量だったのかは謎。

構成

 VRモードを除けば、ゲームの流れやオマケなどはほぼ同じ。しいて言うなら機体を眺めるモードはあるものの、PSVRのない状態でPS4版を買うにはちょっと割高なように思える。

ストーリー

 オリジナルと完全に同じ。ジブリの映画の再放送を見ているようなホーム感で、どっちかというとVRモードだとこういう演出になるんだ、というような見方をずっとしていた。

  • 冒頭の採掘LEV操作はシネマティックモードでカメラ通して操作しているような演出
  • ムービーパートや会話は基本的にシネマティックモードで見る
  • 戦闘のみコックピット視点

操作感

 デフォルトの設定だと、コックピット視点では敵かフィールド上のマーカーをロックオンした状態で、そのロックオン対象に対する距離/回り込みを操作する形になる(非VRでもロックオンシステム自体は存在するが、VRモードだと酔い防止のためにフィールドの"順路"にもロックオンが吸い付くマーカーが追加される。オフにもできる)。
 このフィールドのマーカーが曲者で、順路上の次のマーカーへロックオン対象が移動する時に自機/カメラ角度が突然振れてしまい混乱しやすい。空間の自由な移動や直進が困難になるので、人によってはこのアシストを切った方がよいかもしれない。

戦闘

 戦闘のスピード感はVRではそこそこ(コックピット視点だとスピード感を得にくいという知見から、VRモードでは自機の移動速度を高めてある。つまりRTAではVR必須ということである!!!!)。密集地で乱戦すると、これもやはりロックオン対象が細かく移動するため酔いや混乱を招きやすい。オリジナルではGRUBを有効に使って戦うスタイルだったが、敵を掴んだ瞬間に別の敵にロックオン移動、敵に敵を投げつけて潰したら別の敵にロックオン移動という感じになって脳が破壊されそうだったので、途中からは遠距離追尾レーザーとGAUNTLETで距離をとって戦うようになった。基本的に距離をとっていればロックオン対象が変更された時のカメラのアングル移動量は少なくて済むので酔いづらい。
 ジェフティのコックピットは全天周囲モニタが実装されていないので、三人称視点では見えていた直近の背後が見えず、これも密集した状態での戦闘のし辛さを加速させている。ADAが敵増援を報告するたびに後ろ向きにダッシュ連打する癖がつく。

 ここら辺の辛さは開発時に見えていたようで、VR推奨難易度として"VERY EASY"が追加されていた。敵の耐久力を下げたりハープーンを出さないようにしていて、戦闘時間をとにかく短縮する意図を感じた(ただ、クラッドはいた気がする、、、)。

全体的なプレイ感

 難易度調整の意図からもわかるように、長時間の連続プレイはとにかくすべきでない。VRの酔い防止系のオプションは、直感的な操作や演出の派手さなどとトレードオフなので、自分がどこまで耐えられるかを都度確認しながら最適なポイントを見つけていくしかない。ただどんなに設定をマイルド側に倒しても長時間遊ぶと疲れて来るし、疲れた状態だと酔いやすくなる。ノーセーブ、ノンストップでストーリー通せるか、で言えば、かなり無理がある。OFの操作は体が15年間覚えていたのに、そこに自分の三半規管がついていけてない現実はなかなか来るものがある。
 ただ、それでもジェフティが存在する感覚というのはいいものだ。

VRモードでも"存在しない"もの