このインターネットが遅い2018春編
要約するとソフトバンク光の PPPoE サーバーがおそらくパンクしたので BBIX 経由にして解決した話です。
まずフレッツとは何か
国内のほぼ全ての地域で NTT に月額数千円を払いさえすれば簡単に 1Gbps のサービスを利用できる我々と違い、インターネットの最先進と言っていい北米ですら、月 300 ドル以上払って同等の回線性能が得られる地域はほんの一握りです。フレッツという閉域 IP 網は現状世界最速かつ最安価の物理回線であることは間違いありません。
インターネットへの道
フレッツは閉域 IP 網であるため、単体でインターネットに接続できるわけではありません。 最終的なインターネットへの接続性はフレッツと相互接続された ISP や別のインターネット接続業者が担保します。
ここら辺がややこしく理解しづらいところですが、ソフトバンク光などでは2通りの方法があります。
PPPoE による ISP 網との接続
PoI ビルというのはフレッツと ISP のネットワークが相互に接続するルーターがある部分です。 自宅の PPPoE 機器と ISP の PPPoE サーバとの間で PPP の認証、セッションを確立し通信します。
IPv6 over IPv4 トンネリングによる BBIX 網との接続
そもそも BBIX って何よって人はとりあえずググるか ISP とインターネット自体の中継局が合体したやつだと浅く理解してください。要するにソフトバンク光とかと別の(資本関係で言うとズブズブ)ネットワーク業者です。後ろにBBって付いてるサービスはここのを使ってます。
ソフトバンク光などで借りられるホームゲートウェイやら光 BB ユニットと呼ばれるものは、IPv4 のパケットを IPv6 のパケットでカプセル化して、BBIX 網の IPv6 トンネル終端装置との間で IPv4 over IPv6 通信をするためのゲートウェイ機器です。こうしたトンネリング方式は MAP-E や DS-Lite がありますが、ソフトバンクが BBIX と協力して提供するサービスでは 独自の形式のため、専用の機器を使わないとこの方法は使えません。
なぜソフトバンク光は遅いのか
もしフレッツが原因であればフレッツ利用のあらゆる ISP で通信速度低下が発生するはずです。現実的にはそうでないのでフレッツ網が原因で速度が遅くなることはまずありません。フレッツは神。まずこれを覚えてください。
ここ以降が遅いです。従ってここを ISP 網ごと迂回する IPv4 over IPv6 形式はクソ速いです。つまりソフトバンク光の ISP 網を使わなければソフトバンク光は神、ソフトバンク光の ISP 網自体は紛れもないクソ ということです。巷で遅いと言いまくってる人のほとんどがオプション契約やユニットレンタル料の月額数百円をケチってクソを迂回できず地獄を見ているのだと思います。顧客は情弱なのでまず理解しないし、ここを説明もせず ISP 網のボトルネックに追加投資もしないままゲートウェイのレンタルをオプションにしてるソフトバンク光もマジでどうかしてると思います。
私も PPPoE で通信速度的に不満を感じていなかった頃は(宅内の機器やネットワーク構成をシンプルにするために)他社のルーターで PPPoE を使っていましたが、年度が変わった瞬間に WiMAX レベルのスループットしか出なくなったのでキレて、大事にしまってあったゲートウェイを引っ張り出してきて上流に繋ぎ直して10分ほどで解決しました。
ちなみに2つの方式を併用することで IPv4 の出口、すなわち GIP が 1 個増やせるはずなので、DDNS サービスなどと併用して( PPPoE の方は遅いながらも ) Web サーバーとか公開する DMZ 用に使えそうだなーと思いましたがまだやってないです。